舞台で輝くアデルを彩る、究極のラブソング
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2022年11月から始まった「Weekends With Adele」。毎回、彼女がどのデザイナーのドレスを纏うのか、ファンの注目を集めてきました。ヴァレンティノ、ジバンシィ、スキャパレリなど、錚々たるブランドが彼女を飾る中、2023年8月、マイケル・ファウストがまさかの大抜擢を受けました。
当時まだキャリア初期だったファウストは、カーリー・アンダーウッドやアリソン・ジャニーなど著名人を手掛けていましたが、まさかアデルをドレスアップする機会に恵まれるとは夢にも思っていませんでした。
転機となったのは、2023年「アメリカン・アイドル」でハリー・ベイリーの「Part of Your World」のパフォーマンスのために制作した、幻想的なプリンセスドレスでした。そのドレスを見たスタイリストのジェイミー・ミズラヒが、ファウストにコンタクトを取ったのです。
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「メールの件名にアデルの名前を見た時は、言葉が出ませんでした」とファウストは振り返ります。「新進デザイナーの自分にとっては、毎週錚々たるブランドのドレスを着こなす彼女を前に、正直少し恐縮でした。」
では、なぜミズラヒはファウストを指名したのでしょうか?それは、彼の独創的なデザインセンスと、ドラマティックな動きと機能性を兼ね備えたドレス作りの手腕でした。
「すぐにデザイン画を描き始め、パフォーマンスにふさわしい動きやすさとドラマ性を持ちつつ、アデルのパーソナルスタイルにも合う生地を選びました」とファウストは制作過程を語ります。「これまでテレビ番組やレッドカーペット向けのデザインを手がけてきた経験から、衣装が持つインパクトと機能性の重要さを理解していました。デザインを提出後すぐに、採用されることが決まりました。」
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バレンタインデーのその日、夢が叶ったことを告げる連絡がファウストのもとに届きました。アデルが彼のドレスを2月16日と17日の公演で着用するのです。以下、ファウストが語るドレス誕生秘話をお届けします。
1.インスピレーション
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「このドレスは、アデルの音楽に織り込まれた、複雑で奥深いラブストーリーへのロマンティックなオマージュです。彼女の歌の深みを反映し、私がデザインする現代のヒロイン像を表現することが重要でした。」
2.ディテールへのこだわり
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「さまざまなシルクを重ね、水銀のようなシャルムーズのフリルで飾った、おとぎ話のような袖は、フィット感のあるクレープのボディスとトロンペットスカートと強いコントラストを生み出しています。ロマンとモダンさを引き立てるのは、エンボス加工されたシルクシャルムーズの花と手縫いのクリスタルです。」
3.スケッチの段階
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「イタリアンクレープのドレスは、ハルタネックとトロンペットスカートが特徴で、ドラマティックなオフショルダーのビショップスリーブには、生地を重ねたミルフィーユのよなフリルが施されています。」
4.フローラルの装飾
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「ネックラインにクリスタルで飾られた花から、二重になったシルクシャルムーズの波が溢れ出し、シルクジョーゼットとチュールの複数のパネルに流れ込み、袖全体で手作業でピースが縫い合わされています。」
5.制作過程
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「ファッション業界では、何も保証されていないことは常識です。特にセレブ向けの衣装となると、不安と期待が入り混じります。自分が目指した瞬間が実現することを祈るばかりです。」
6.母からの祈り
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「ドレスをアデルのチームに送った後、数ヶ月にわたって、私の母は私が提出したオリジナルのイラストに向かって祈りを捧げていました。彼女は、そのイラストを聖フランシスコ像の隣に飾るのが最善だと考えたのです。」
7.「Set Fire to the Rain」
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「そして、なんとバレンタインデーに、祈りが届きました。アデルがレジデンスの39週目にこのドレスを着てくれるという連絡を受けたのです。」
8.完成したドレス
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「私は昔からロマンチストなので、アデルの音楽はいつも私に響いてきました。高校生の頃、運転免許を取ったばかりの頃、何ヶ月も『Someone Like You』を大音量で流し、車で帰路に着きながら頭の中でメロドラマを作っていたことを覚えています。」
9.ステージの存在感
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「それから数年後、ニューヨークのクラブ・カミングでボーイフレンドと出かけた時に、偶然彼女と出会いました。アルファベットシティにある小さなバーにアデルがいたなんて信じられませんでした。翌朝、新聞の見出しには、ジェニファー・ローレンスとアデルが地元のゲイバーをハシゴする夜を過ごしたとありました。振り返れば、その時に挨拶すればよかったと思いますが、彼女のラスベガス公演で衣装をデザインする方が、より良い紹介になると思います。」
10.夢の実現
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「アデルのためにデザインする機会は、単なるドレス以上の意味を持つ、私のキャリアにおける重要な節目です。それは、彼女という女性、大衆の意識を変えることができる数少ないアイコンの一人であることを意味します。彼女の音楽、才能、カリスマ性、ユーモアは、壁を壊し、世界中の観客と共鳴します。アデルは、私が常にデザインしたいと思っていた現代のヒロインを体現しています。」